遺伝についての勉強会を開催しました。

5月14日日曜日13時半〜16時半オンラインにて、遺伝についての勉強会及び交流会を開催しました。

遺伝についてのご質問や悩みはよくお聞きします。

一口に「ミトコンドリア病」といっても、その遺伝形式はさまざまで、遺伝や遺伝子のお話を患者や家族が、
簡単に理解することはとても難しいことです。
が、今後は治験や治療にも遺伝子がわかっていることが条件になってくることが増えるということでもあり、
会でも何度も何度も学んで行きたいと思っています。

大竹先生はたくさんのスライドを用意下さり、遺伝の基礎や仕組み、ミトコンドリア病の遺伝、
そして遺伝子のバリアントについて、様々な角度からじっくりと説明して下さいました。

一昔前は遺伝子異常、そして最近では遺伝子変異という表現で言われてきたのですが、
本来、病気に繋がらなくても、どんな人でも他の人と違う遺伝子の「変異」を持っていて、
その変異がヒトの進化をもたらしているともいえることから、今はむしろ変異ではなく
バリアント(多様性)という言葉で呼ばれ始めているそうです。

また劣性遺伝は潜性遺伝、優性遺伝は顕性遺伝という言葉に変わってきていることも印象的でした。

お話の中で最新の遺伝子検査の結果のレポート例を具体的に示してくださいました。
今後は、こんな風に提示される検査結果を、主治医や遺伝カウンセラーさんのお力を借りながら、
患者や家族が理解していくことになるのだと思うと、患者の側の勉強も必要な時代になったと痛感しました。

深く濃い内容をギュッと凝縮して伝えて下さった大竹先生に感謝いっぱいです。

また、皆さんの質問の質疑応答の中でも、たくさんの新しい情報を次々と教えていただきました。
遺伝、栄養、サプリ、ミトコンドリア病に禁忌の薬、治験の予定など、話題は尽きず、
あまりの情報の多さに、内容を整理して多くの方にシェアできるような形にしていきたいと考えています。

大竹先生は長年にわたりミトコンドリア治療と研究の第一線におられ、いつも患者さんやご家族に寄り添い、
さらにより良い道を考えておられる姿に感銘を受けました。
先生が伝えて下さった温かいメッセージがいつまでも胸に残りました。

また埼玉医科大学で遺伝カウンセラーをされているお二人が、遺伝カウンセリングについて
わかりやすく紹介くださり、また皆さんの質問に答えてくださいました。

また、いつも勉強会をサポートして下さる
近畿大学理工学部 生命科学科 ゲノム科学研究室 木下善仁先生からは
「核移植」という最新の話題についての話題提供をいただきました。
イギリスでは、ミトコンドリア病患者の核移植が承認されているそうですが、
まだなかなか全容が見えないこと、また日本での動きについても教えていただきました。

また、交流会では皆さんの質問、発言のおかげで「仲間がいること」「ひとりじゃないと思えたこと」
がわかって、本当に良かった、勇気をもらいましたと多くの方から感想を寄せていただきました。

昨今、大変なスピードで医療や科学が進み、患者の側も学ぶことが増える一方です。
今後も、さまざまなことを学べる勉強会を開催していきたいと思います。

現在、会員限定ではありますが、大竹先生のご講演の動画を期間限定で公開しています。